市関係書類基に確認急ぐ
耐震強度偽造問題で、松戸市は二十四日、県が姉歯建築設計事務所(市川市)が設計などにかかわったと発表した市内の建築物三棟以外に、同事務所が関与した可能性のある一戸建て住宅が一棟あることを明らかにした。市では関係書類を基に、問題の有無について確認を急ぐ方針だ。 (川田 栄)
市によると、県の情報で存在が分かった。同市で新たに姉歯事務所が関与した疑いのある建築物が指摘されたことで、他の自治体も含め、同事務所関与の建築物件数に変動が生じる可能性が出てきた。
また、同市内で同事務所が関与した建築物三棟のうち、木造三階一戸建て住宅の構造計算には問題がなかったことが確認された。
しかし、他のマンション(七階建て約七十戸、分譲一部賃貸)と、一棟の住宅については、書類保存期限が過ぎているため、市では建築主らに事実確認調査と構造計算書などの資料提出を依頼しているという。
二十一日の県の発表によると、同事務所が関与した県内の建築物は七市で計三十四件(浦安市の住宅二件は県が改ざんなしと発表済み)。
三件の存在が指摘された千葉市に住む無職男性(65)は「どの建物が危険なのか分からないと、住民は不安のまま。近くにあるというだけで恐ろしい」と、行政に対し、早期に危険性の有無を確定するよう求めている。
■「県が責任持つ立場にはない」
堂本暁子知事は二十四日の定例会見で、耐震強度偽造問題に関連し、一級建築士が国家資格で、国の指定した検査機関が建築確認を行うことを理由に「一義的に県が責任をもつ立場にはない」とする見解を明らかにした。
また、マンションの解体についても「一義的には業者に責任があるので、できるだけきちんと責任を取ってほしい」と述べ、事態を静観する姿勢を示した。
出典:東京新聞 - 12/10